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Part.64

Part.64 豊田市にラグビーワールドカップがついにやってきた。

 オリンピック、サッカーワールドカップと並ぶ世界の3大スポーツイベントといわる「ラグビーワールドカップ」がついに愛知県・豊田市にやってきました。全国12都市の会場の一つとして、豊田スタジアムでJAPAN戦を含む4ゲームが行われます。

 9月23日には、最初のゲームである「ウェールズ vs. ジョージア」が19時15分キックオフで行われました。今回は、この日のまちの様子をレポートします。

 

 ■ウェールズから多くの“熱い”サポーターが訪れる! ラグビーの伝統国・強豪国はイギリスの4つの国(イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランド)、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカの8か国といわれていますが、特にラグビー発祥のイギリス4か国は応援に熱が入っており、ワールドカップ期間中はバカンスを取り、チームと一緒に日本を巡る人が多いといわれています。9月23日の試合当日、私は名古屋市の地下鉄伏見駅から豊田市駅に向かいましたが、伏見付近には赤いウェールズのジャージを着た外国人(恐らくウェールズから来た人)が多くみられました。地下鉄の車中では、赤いジャージを着た外国人に囲まれながら、豊田市駅に向かいました。

 ウェールズからのサポーターはまさに老若男女、小さい子どもを連れた若いカップル、友人同士と思われる若者グループ、熟年老夫婦など多様です。地下鉄の中でも楽しそうに会話が弾んでいました。(英語だったので何を話しているかはわかりませんが・・・・。)

 豊田市駅に到着すると、歌声が響いています。ウェールズの応援歌です。駅前通りのパブに赤いジャージのウェールズのサポーターが集結し、ビールジョッキ片手に歌っていました。その他の周辺の居酒屋などもウェールズサポーターの貸切状態の店も多く、「これが最後のビール樽だ~」というアルバイト店員の声も聞こえました。

 スタジアムの観客席には、ウェールズのサポーターとともに、ジョージアのサポーターも、チームジャージを着て、国旗を掲げながら、チャンスの時には応援していました。ゲームはウェールズの圧勝(43-14)でしたが、どちらのサポーターも楽しそうです。

 ゲーム終了後、豊田スタジアムから豊田市駅の帰路は大混雑、徒歩で45分程度かかりましたが、ウェールズ、ジョージアのサポーターも国旗を振ったり歌いながらも、秩序よく歩いていました。ゲーム終了後、時間が夜10時を過ぎていましが、豊田市駅付近の居酒屋やバーには多くの外国人サポーターが楽しそうにビールを飲んでいました。

 外国人サポーターのこれらの光景は決して“怖い”ものではなく陽気なフェスティバルの雰囲気、普段は見られない光景でした。ゲームを熱心に観戦して応援するだけではなく、ゲームの応援を機会にして、仲間とともに徹底的に楽しむ文化を目の当たりにしました。

 ウェールズは、9月23日の豊田の後は29日に東京、10月9日に大分、13日に熊本でのゲームが予定されており、多くのサポーターはこれらに帯同するようです。翌日の名古屋駅では、多くのウェールズサポーターが新幹線で移動する姿が見られました。愛知県を観光してくれたのだろうかと、心配にもなりました。

 

 ■地元のおもてなしはどうだった?

 この試合は、外国どうしの試合にも関わらず、豊田スタジアムには35,000人以上の観客が集まりました。外国人サポーターだけではなく、多くの日本人も集まり、一流のスポーツゲームに魅了されていました。

 豊田市駅から豊田スタジアムの間では、様々なおもてなしや地元の紹介や行われていました。ボランティアによる案内やハイタッチなどでの歓迎は、とても機能していたように感じられました。

 道路上や沿道の施設で行われていた地元の紹介や地元産品の販売などは、やや苦戦しているように見受けられました。外国人来訪者が訪れていたブースもありましたが、来訪者数相応ににぎわっているという感じではありませんでした。ラグビーのために来ているので地域の紹介には関心が低いのか、外国人(特にヨーロッパ)のみんなで楽しむという文化にあわせた紹介などの方法が必要だったのか、今後のスポーツイベントやインバウンドに向けて、もう少し作戦を練り上げる必要があるのではと感じました。

 

 ■愛知県・豊田市にはとても貴重な経験になった

 最近は、アジア各地からの観光客が多くを占める中で、ヨーロッパをはじめとして全世界から観光に来ていただく機会はなかなかありません。来年に東京オリンピックが開催されますが、ラグビーワールドカップは、オリンピックやサッカーワールドカップの来訪者とも異なり、観光への効果が大きいといわれています。ラグビーワールドカップが再び日本で開催されるのは遠い将来と思われますが。今回の体験は様々なまちづくりに活用できる貴重な経験だったと思われます。

 私は個人的にはラグビーをとても興奮して楽しみましたが、この経験を加えてまちづくりに活かす方法を考えていきたいと思います。

 

(報告/春日俊夫)